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寒いよ

by 唐草 [2019/07/08]



 気温をただの数字として眺めれば、20度という数字は暖かいに区分されるべき数字だろう。コートなどを羽織らなくても平気だし、暖房を使おうとも思わない温度だ。だが、夏の心構えができた今のぼくの体には堪える気温である。今朝のぼくは、「なんか寒な」とつぶやきながら目を覚ましたのである。
 この週末は、とても7月とは思えない涼しい雨模様の日が続いた。ここ数年暑さのピークは7月という印象が強い。梅雨も短くなり、小学生が夏休みに突入する前から容赦ない熱波と日差しが街を覆い連日の真夏日が続く。今年だって、雨が続く前の6月末頃までは日に日に夏が迫ってきている印象があった。太陽が雲に隠れたとしても、まとわりつくような湿度と気温が夏の訪れを告げていた。
 そんな変化に合わせて、ぼくの部屋も夏に向けた準備を進めていた。まず、扇風機を出した。次にベッドパットを放熱性の良いクールなんちゃら素材の涼しい物に変えた。この変更は劇的な効果をもたらし、ぼくの安眠を促進してくれた。そして、掛け布団も薄い毛布からタオルケットへと切り替えた。お風呂の設定温度もぬるい37度まで下げた。最後に東側の窓用にスダレを購入した。こうした準備を重ねていくのと同時に、ぼく自身の体も徐々に暑い季節への順応を進めていったのだろう。同じ25度でも、だいぶ平気な顔をしていられるようになっていた。
 ところがだ、先週からの長雨で夏への移行は止まってしまった。スダレは掛けられないまま部屋に放置されている。ベッドには、毛布が呼び戻された。そして、ぼくの体はどの気温に順応するべきなのかを決められずに迷っているようだ。
 そんな足踏み状態だったぼくの足下をすくったのが、週末の冷たい雨。
 夏モードになりかけていたぼくには寒すぎた。そして、夏仕様に切り替えていた寝具は、寝ているぼくの体温をドンドン奪っていったようだった。日曜日の朝のぼくは、冷凍マグロのように冷えていた。
 こんな状況が続いていたら確実に風邪をひく。いろいろ重なって忙しいこの時期だ。ちょっとした油断が、命取りになりかねない。念には念を入れてということで、押入れの奥から暖かめの寝具を引っ張り出してきた。先週、部屋の衣替えを終えて夏仕様にしたばかりなのに、再び春仕様に戻すことになるなんて想像もしていなかった。まるで捕虜を疲弊させるためだけに穴を掘ったり埋めたりを繰り返す無意味な労働のようだ。
 その結果、ベッドにダウンの掛け布団が置かれているのに、その脇に扇風機もあるという季節感皆無な部屋が出来上がってしまった。もう、滅茶苦茶だよ。