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7/7のビッグウェーブに乗り遅れるな

by 唐草 [2019/07/07]



 自宅に新しいPCを導入しようと考えている。おろし金のような見た目のMac proが選択肢から外れてしまった今、Apple製品で購入したい機種はない。何の未練もなくWindowsへ移行できる。
 おりしも今は、数年に一度のPC購入チャンスである。規格の切り替わりや新製品の投入が重なり、古いパソコンは安価で、新型は確実に長く使えるタイミングとなっている。来年4月発売のゲーム『Cyberpunk 2077』を最高の環境で遊ぶためゲーミングPCを購入するというアイディアが、予算無視のゲーマーの妄想ではなく、冷静な判断と言えるレアな時期なのである。
 よし、ここの流れならトコトンこだわろう。20年ぶりの完全自作で理想の1台を組み上げよう。AI研究のためとか嘘偽りをつかずに、正々堂々とゲーミングPCを買うとここに宣言する。
 ぼくが目を付けたのが、今日(7/7)発売の新型CPU Ryzen 3000シリーズ。万年2番手だったCPUメーカーのAMDが、斜陽の王者Intelを打ち倒すべく投入した高性能なCPUである。カタログスペックとわずかな情報しか公開されていないが、ぼくのようなPCオタクの心に火を付けるには十分だった。自作しようという意思は、ますます高いものになっていった。
 全部最高のパーツで組めれば理想なのだが、あいにくそこまでの予算はない。予算を考えつつ、バランスよくPCパーツをそろえなくてはならい。面倒な作業であるが、これが一番楽しい作業でもある。言うならば、遠足のお菓子を予算内に収めようと吟味しているような段階だ。
 ぼくは、発売日の価格を見てじっくりとパーツを決めようと考えていた。今回は情報統制が厳しく価格のリークがほとんどなかったからだ。CPUは3700にしようと考えていたのだが、価格次第ではもうひとつ上を狙ってもいい。それよりも価格が読めなかったのがマザーボード。各社とも超高級なゲーミングマザーボードばかりをアナウンスしていた。マザーボードにおけるゲーミングという概念が何を意味するのかよく分からない。LEDが7色に光るだけかもしれない。そんな本質的でない機能に何万円も払いたくはない。
 ネットを見ていると何年かぶりに秋葉原のパーツショップで列ができているという情報もあった。個人的には別の行列を見間違えたのではないかと思っているのだが、そんな情報が飛び交うほど今日は盛り上がっていたのだ。機は完全に熟していた。
 だが、夕食前のぼくは飛行機に乗り遅れた旅行者のように落ち込んでいた。
 Amazonやヨドバシといった主要なオンラインストアは、軒並み品切れだった。事前に何を買うかをキッチリ決めていた連中に先を越されてしまった。完全に出遅れである。今日、話題の商品には何ひとつありつけなかったのである。