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序盤と終盤

by 唐草 [2019/06/30]



 以前から書いているが、ぼくはゲームの実績にある程度こだわるタイプのゲーマーだ。と言っても、実績をコンプリートするために超絶難易度への挑戦や激レアアイテム取得を目指すほどのやり込みはしない。けれど、淡々とプレーを重ねていけば確実に取得できるものは数度周回してでも取らないと気が済まない。要するに技量や運に左右されるものは狙わないけれど、時間で取れるものは全部取ろうというスタンスなのである。
 今遊んでいる『Fallout 76』は、妙な実績取得状況となっていた。序盤をベータテスト期間中にクリアしてしまったので、初めの方の実績がごっそりと抜け落ちている。レベル50達成のトロフィーは持っているのに、レベル10達成トロフィーは持っていないという感じである。普通にプレーしていたら絶対に起こらない状況だ。
 どういう風の吹き回しなのか分からないが、突然に序盤の実績が欠落していることが我慢できなくなってしまった。実績解除ボーナスとかは無いので、取得していなくてもなんの問題もない。だから今日まで放置し続けていた。ところが、まるでビンの蓋を斜めに締めてしまった時のような違和感を急に覚えたのであった。
 すでにシナリオをクリアして、レベルも3桁台まで到達しているメインキャラでは、どうあがいても実績を解除することはできない。だから、新たに2キャラ目を作ることにした。
 普段は特殊効果満載の武器を完成されたスキルビルドのキャラで振り回している。圧倒的な攻撃力と耐久力を持ち合わせているので無双系のゲームのように一騎当千のように振舞うことができる。ゾンビをなぎ倒す爽快感を楽しんでいると言える。
 でも、新キャラではそんなプレーはできない。武器もないし鎧もない。回復アイテムだってほとんどない。その辺を徘徊する野犬にさえ怯える始末である。茂みに隠れながらビクビクと目的地を目指していた。とても同じゲームで遊んでいるとは思えなかった。
 だからと言って、久々に遊んだゲーム序盤が退屈だったかというとそんなことはない。残弾数を数えながら遮蔽物を使って戦うのには、いつもと違ういい緊張感があった。限られた手を尽くしてゲームをプレーしているという序盤ならではの楽しさがあった。
 でも、序盤の緊張感と選択肢の少なさがずっと続いていたらすぐに飽きてしまうかもしれない。最後には強さを見せびらかすようなド派手な要素も欲しい。序盤の楽しさから、どういう流れを経て終盤の楽しさへと導くのか。この塩梅が、レベルデザインの肝なんだろう。新キャラがゲームの大切なことを思い出させてくれた。