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400%

by 唐草 [2019/06/24]



 PCオタクは、ベンチマーク(性能チェック)テストが大好きだ。新製品が出るたびに様々なテストで優劣を競う。いくつものベンチマークソフトを使い分け、様々なハードの組み合わせを試して「こっちで勝った」とか「あっちで負けた」と騒いでいる。結局のところ男子は、いくつになっても速くて強い方が好きなのだ。スポーツカーの馬力にキャッキャと騒いでいるのと完全に同じ。
 テストの結果に一喜一憂するのは結構だが、現実的に最新PCを最大限の能力で動作させられる機会なんてあるのだろうか?普段ネットを見たり事務処理をする程度の仕事では20%程度も発揮ない。つまり、多くの人は真の性能を体験する機会すら無い。
 ここまでPCオタクをバカにするような感じで書いてきた。いや、ハッキリと言っておこう。PCオタクなんて、己のことは全く理解せずに数字しか見ていないバカだ。宝の持ち腐れであることを理解できないバカである。これは断言できる。なんでこんなに自信満々に断言できるのかと言えば、強力な証拠があるからだ。ぼくの目の前に鏡を1枚用意すれば、そこに間抜け面した答がくっきりと浮かび上がるからに他ならない。
 ぼくも先日発表されたRYZEN 3000シリーズのベンチマークテストに沸いた一人である。コスパの良さに惹かれて1台組もうかと考えている。ぼくには豚に真珠であること知っているというのにだ。
 今、ちょっとしたAIを作っている。どんな学習をどの程度行えば良いのかを確認するために設定を変えながらテストデータでの学習を繰り返している。設計者であるぼくがAIについて学習している段階であるとも言える。
 AIの学習には、テストであっても数百から数千件のデータが必要。データを数値に置き換えて、掛け算をしたり、微分をしたり、内積をとったりして学習を進めていく。1つ1つの計算が複雑な上に、繰り返し何度も計算をしていくので膨大な計算量が必要になる。2017年のCPUであるi5-7600Kを積むぼくのPCでも40分ぐらいの時間がかかる。計算中、普段は2割も動いていないCPUが完全にフル稼働となる。ベンチマークで叩き出す秘められた性能が発揮される数少ない機会の到来である。
 CPU稼働率を見たら390%と出ていた。100%超えってどういうことなんだろう?滅多に見ない数字に一瞬面食らってしまったが、CPUに搭載された4つのコアがフル稼働しているという意味だ。この数字を見たぼくは満たされた気分になっている。CPUを使い切っているし、ベンチマークの数字だけ見て騒ぐオタクとは違うんだという優越感である。つまり、他のPCオタクを見下しているということだ。冷静に考えると、実に気持ちの悪く、なんの実りもない優越感である。これこそオタクがなぜ嫌われるのかが凝縮された感情である。