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出前バイクの帰還

by 唐草 [2019/06/21]



 料理のデリバリーサービスである『Uber Eats』の記事を眺めながら考えていたことがある。
 ぼくは東京都在住と言えども多摩の奥地にひっそりと暮らしている。そんな秘境エリアなので、残念というか当然というか判断に迷うところであるが『Uber Eats』のサービスエリア内ではない。だから、街中を颯爽と走り抜ける『Uber Eats』の配達員を見たこともない。ぼくにとってはまだまだ縁遠い存在だけれども、興味はある。
 バイク便や自転車を使うメッセンジャーが配達業務に小さいけれどハッキリとした革命を起こしたのと同じように、『Uber Eats』が食品デリバリーに革命を起こすかもしれない。そう考えて世間の動向にちょっとばかり注意を向けている。
 UBERのサービスの特徴はなんと言っても、配達人が個人であるということに尽きる。運送業の人材不足が叫ばれている現状において、雇用形態の自由度が高いフリーランスを利用するというのは閉塞感のある現状を打破する起爆剤になる可能性を秘めているだろう。もちろんリスクも大きいけれど。
 もし『Uber Eats』のサービスが利用できるようになったら、ぼくはどのように使うだろうか?たぶん配達されるお客側ではなくて、配達する配達員側にチャレンジしそうである。狭い住宅街を駆け回るのなら、交通規制に縛られにくく小回りの利く自転車の方が有利だろう。ちょっとばかり自分の足と自転車に自信があるぼくが配達員になれば、小遣いぐらいは稼げるかもしれない。
 ぼくの愛車であるマウンテンバイクは、カゴもキャリアも付いていないので荷物が積めない。もし運搬用にカゴを付けたとしても自転車をかっ飛ばして配送したら、曲がるときの遠心力と止まるときの慣性で料理はグチャグチャになってしまうだろう。しっかりとしたクッションやサスペンションの付いたカゴを付けていないと、クレームの嵐にさらされることになるのは火を見るより明らかだ。
 なにか良いものがないかと考えていて思いついたのが、そば屋などの出前バイクに付いている宙吊りのカゴだ。自転車に取り付けられるかは疑問が残るが、実績と信頼のあるあのカゴに勝るものは早々ないだろう。
 ぼくが小さかったことは出前バイクをよく見たし、家で出前のそばとかラーメンとかを食べた記憶がある。でも、ここのところ出前をしている店がドンドン減っている。ぼくはピザすら頼まなくなった。もしも『Uber Eats』が軌道に乗ったら懐かしの出前バイクが復権するのだろうか?
 残念ながらそんな未来は想像できない。昔ながらの出前文化が廃れた今の日本で、もう一度出前的な料理のデリバリーが復権するとは思えないのだ。