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10連休を終えて

by 唐草 [2019/05/06]



 即位の祝日となった5月1日。そのことでオセロのように祝日となった4月30日と5月2日。これだけでも例年のゴールデンウィークを遥かに上回る豪華な連休になる。だが、2019年は貪欲だ。それでも飽き足らずに狙ったかのような土日のタイミングで発生した奇跡の10連休。5月1日を祝日にせよと主張し続けたぼくでさえ10連休なんてものを思い描いたことはなかった。こんな連休は、もう二度と起こらないかもしれない。
 この10連休をみなさんはどのように過ごしたのだろうか?
 海外に行ったりして長期休暇を思いっきり満喫した方もいることだろう。その逆で10日間仕事がなくて困った人もいるかも知れない。世間の反応を見ていると多くの人が満足できていたとはいえ、全員が満足できる10連休ではなかったようだ。
 数日前にも書いたが、10連休によって日本は休み慣れていないということが露呈したと思う。今の日本社会は、泳ぐのを止めると死んでしまうマグロのようなものなのかもしれない。というか、自分はマグロだと思い込んでいるのかもしれない。猪突猛進で止まることのないマグロとして生きたい人はそうすればいいが、全員がそうだと考えるのは間違いだ。アジもいれば、ヒラメもいる。マグロの養殖に熱い視線が注がれているが、社会を養殖生簀のようにしてもらっては困る。
 さて、マグロのような生き方とは縁遠いぼくの連休はどうだっただろう?魚で例えれば根魚のような連休だった。
 今年の連休は、人生史上もっとも自堕落なゴールデンウィークだった。なにせ、連休8日目までの間にでかけたのは近所のスーパーだけ。あとは病人のようにずっとベッドに横たわっていた。しかし、これは仕方がなかった面もある。病人でこそなかったが、療養中だったからだ。
 連休開始直後は、日常生活に大きな支障が出なくなったとはいえまだ腰があまり芳しくはなかった。重いものを持つのが怖かったし、急な動きもできないままだった。そんな訳で、無理していた体を労るべく、ずっとベッドに臥せでいた。これがゴールデンウィーク前半のまったく明るくないハイライトである。
 数日間そんな生活を送っていた結果、ぼく本来のダメ人間的な部分が目覚めてしまった。ベッドの上から動くのが面倒で、このまま観葉植物に転生できれば幸せだろうと考えるに至ってしまった。ハッキリ言って不健康極まりない毎日だったのだが、動かなかったことは結果として健康へとぼくを導いてくれた。
 腰はかなり良くなったのだ。
 不思議なもので、腰が動くにようになるとぼくの背中から生えていた根っこは一瞬にして消えた。それまでのダメ人間とは別人のようにアクティブな気持ちになったのが9日目。5月の日差しを浴びるために自転車へとまたがり、いつものように緑の多い多摩の街を走り抜けてきた。
 そして連休最終日。またしても腰痛である。完治してなかったのに体に負荷をかけた反動に襲われている。しかも今日は、お仕事。ぼくのゴールデンウィークは9連休だったのだ。なんだか連休の最後の最後は踏んだり蹴ったりである。