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さよならApache

by 唐草 [2019/04/02]



 コンピュータは、ぼくにとって頼もしい仕事道具であると同時に飽きることのないおもちゃでもある。PCの前に座ってキーボードを叩いていると、時々自分でも仕事をしているんだか遊んでいるんだか分からなくなることがある。
 仕事ではMac、ゲームをするときはWindows、サーバならLinuxという感じでなんとなくの使い分けをしている。どの環境にも一長一短があるからこそ、使い分けが楽しいのだ。もし、1つしか選べないと言われたら、相当悩むことになるだろう。
 一方で「一番遊びがいのある環境はどれか?」と聞かれれば即答できる。Linux以外考えられない。とにかく何もかもが自由なのだ。遊び場としてこれほど楽しいことはない。ただ、その自由とはサバンナに裸で放り出されるような自由さである。何をしても良いが、何ができるかを知っていないと何もできない自由さなのである。
 大学生の頃からLinux環境を運用して、このサーバを維持してきた。何度かOSの世代交代をしてきたが、基本的な構成はずっと同じである。鉄板のソフトウェア構成である俗に言うLAMP環境というやつだ。OSにLinux、WebサーバにApache、データベースにMySQL、スクリプト言語がPHPと言う多くの先人たちが活用してきた実績と信頼の環境である。
 しかし、ここのところWebサーバであるApacheの勢いが衰えている。新興勢力にジワジワとゆっくりだけど確実にシェアを奪われ続けている。どうやら業界の風向きが変わったようだ。
 台頭してきたのは、NginXというWebサーバ。NginXというスペルで「エンジンエックス」と読ませる曲者である(長らくぼくは読み方を勘違いしていた)。なぜ多くの人が20年以上慣れ親しんだ古参のApacheを捨てて新参者のNginXを選ぶのだろう?
 試しに導入して分かったことがある。
 テスト環境では高負荷時のパフォーマンスとかそういう専門的なことは分からなかったが、1つだけ確信したことがある。
 設定ファイルがすごく書きやすいということだ。Apacheの設定ファイルは合計で1000行ぐらいのボリュームになる。記述の大半は触れてはいけない魔法の言葉状態。ちょっと編集するだけでも古文書と格闘するような大変さがある。一方、NginXの設定は必要なことを必要な分だけ書けばいい。正規表現さえ書ければスイスイと書けるし、50行も書けば十分だ。
 圧倒的な導入のしやすさは、頻繁に新しいサーバを立てているぼくにはありがたい。性能も大事だけど、簡単に準備できることはもっと大事。導入して2時間。うまくいっていないところもあるが、すでに心はApacheからNginXへと移っている。ここのサーバがApacheからNginXへと変わる日も近いだろう。