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マスクはいつまで?

by 唐草 [2019/02/27]



 海外からはるばる日本へとやってきた外国人観光客の目にこの国はどう映るのだろう?雑多で奇妙、でも妙にシステマチックな面もある。そんな風に見えるのだろうか?こればかりは、日本に住んでいると想像するのが難しい。
 でも、マスクをしている人が街にあふれていることが奇妙に見えるのは容易に想像できる。だって、日本人であるぼくでさえ奇妙だと思っているのだもの。
 奇妙だと思っているけれど、ぼく自身マスクを手放せないでいる。マスクなんて大っ嫌いだけれども、冬の乾燥した季節は風邪などの予防としてマスクの装着を欠かさないようにしている現実がある。
 なによりマスクの効果は身をもって理解するに至った経験がある。効果に疑いはないが、口元を圧迫する感じがどうしても好きになれない。病原菌を防ぐ以外にも、残念な造作のぼくのだらしない顔を隠してくれたり、公衆の面前でギャグマンガを読んでもニヤ付いた口元を隠せるなどメリットは多い。そういうメリットをすべて合算しても、マスクを着けている不愉快さを上回ることはできない。ただでさえ寒くて億劫な冬の外出は、まとわりつくマスクのせいでまるで毎日が冷たい雨が降る日のように気の重いものとなっている。
 今年の冬は、インフルエンザが猛威を振るっていた。だから不本意ながらも例年以上にマスクを手放せないでいた。季節は進み気温が緩み始め梅の花も満開を迎えている今、もうインフルエンザも下火になってきたようだ。そろそろマスクをしないでもいい季節がやってきているのかもしれない。
 でも、電車の中を見渡すと多くの人がマスクをしている。彼らは花粉対策としてマスクをしているのだろうか?それとも、まだインフルエンザを警戒しているのだろうか?はたまた流行の兆しを見せつつある麻疹への防御措置だろうか?
 幸いなことにぼくは花粉症患者ではない。だから多くの人がマスクを着用している理由が花粉だけなら勝利を手にしたような得意げな顔でマスクをかなぐり捨てることができる。でも、そうじゃなくてまだ病気の対策としてのマスク着用だったら痛い目にあうことになる。
 不愉快なマスクだがインフルエンザよりはまだわずかながらにマシである。マスクを外すのが怖いという臆病な感情だけで今日もマスクをしている。
 もしかして電車の中にいる多くの人も、ぼくと同じ理由でマスクをしているのかもしれない。外したいけど、周りのみんなが何かを警戒している中一人だけ無防備になるのは怖い。そんな疑心暗鬼な気持ちが、呪いのように今日もぼくらを取り巻いている可能性は大いにある。
 いったいいつまでマスクをつけていればいいのだろう?