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広告と裏技

by 唐草 [2019/01/25]



 いつの間にか基本無料が当たり前の時代になってしまった。ゲームもタダで遊べるし、アプリもタダで利用できる。マンガだってタダで読めるし、映像もタダで見られる。無料で使えるのが当たり前とさえ思っているので、ネット上で「金を払え」と言われると面食らってしまう。
 ただ、本当の意味で無料、すなわち対価ゼロで利用できるものは多くない。このサイトもそうだけれども、広告を見せつけられるという対価を支払った結果のタダなのである。結局は、民放のTV番組と同じシステムだ。完全にボランティアで行動を起こしている人たちも少なからずいるが、それは今も昔も稀有な存在のままである。
 ぼくはこのサイトの広告を通してギリギリの運営費を稼いでいる。稼ぐ側であるからこそ、広告のありがたみをよく承知しているつもりだ。他のサイトで広告が表示されているのを見ても嫌悪することはない。むしろ同志を見つけたと応援してしまうぐらいだ。
 でもそれは、自分自身が広告を利用していることを正当化するための屁理屈に近いものである。「自分の出す広告は良いけど他人のはダメ」というダブルスタンダードにならないための方便でしか無い。
 心の奥底では、ぼくだって広告がジャマだと思っている。
 ぼくが利用しているとあるスマホアプリは、30秒程度の動画広告を視聴するとポイントが貰える。そのおかげで懐を痛めずに多くのコンテンツを大いに楽しませてもらっている。30秒程度の動画なら1日1回見ても苦痛ではない。けれども、もし見ないで済む方法があったら脇目もふらずに飛びついてしまうだろう。
 見たくない広告を避けられるという実益だけでなく、相手の用意するシステムの裏を突いてやったという優越感だって感じられるに違いない。
 先日、ひょんなことから広告動画を見ずにポイントをゲットする方法を見つけてしまった。運営者に迷惑がかかるのでやり方は書かないでおこう。イメージとしては、ちょっとタイミングがシビアなゲームの裏技のようなものである。華麗な指さばきで広告を見たことにしてしまうのだ。
 でも、この裏技には致命的な欠点がある。
 実行に30秒ぐらいかかってしまうのだ。そう、動画を見ても見なくても時間は変わらないのだ。これは完全にぼくのハッカー的な気持ちを満たす自己満足でしか無い。そうだと分かっているけれども、今日もせっせと裏技を試さずにはいられないのである。ゴメンね、中の人たち!