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冬のラインナップ

by 唐草 [2018/11/26]



 飲み物の自動販売機の商品ラインナップからも季節を感じることができる。気がつけばすでに商品の半分ぐらいが赤文字の「あたたか〜い」に占拠されている自販機もある。
 聞いた話によると温かい飲み物に切り替えるのは、杓子定規にカレンダーに従っている訳ではないらしい。最低気温が一定値を下回ると切り替えを行うというそうだ。具体的な数字を忘れてしまったが、その数字を見たときに温かいコーンスープやホットコーヒーが欲しくなるような温度だと感じたことは覚えている。無人で無機質な自販機だけれど客は生身の人間。売上を伸ばす秘訣は、やはり人の心を読み解くことにあるのだろう。
 だが、ニーズというのは一律ではない。場所が変わればニーズも変わる。
 大学の自販機は真冬でもカルピスウォーターに複数の売り場を割いている。20歳ぐらいの若者は冬の朝の寒さなどものともせずに冷たいドリンクを飲んでいる。ホットコーヒーを買っている自分がオッサンに感じられてしまう。
 そんな訳で、若者をターゲットにしている大学の自販機は冬場でも冷たいドリンクが勢力を保ったままである。商品ラインナップを眺めても季節感は感じられない。
 先日、500mlペットボトルなのに110円で売られているライチ味の炭酸飲料のことを書いた。安さは不人気さの現れではないかと訝ったりもした。ついにその疑問に答が出たようだ。
 ぼくの所属するフロアにある自販機のラインナップが変更になった。この季節の変更なのにホット中心に移行したりはしない。夏場と変わらず冷たいドリンク中心のままである。
 だが、例のライチサイダーが消えていた。代わりに緑茶のペットボトルの枠が増えていた。
 と言うか、ライチサイダーの排除だけが唯一の変更だった。
 もし、これが大学以外の場所での変更であれば、ただ単に季節による変化としか目に映らなかっただろう。でも、先にも述べたとおり若者ばかりの大学では冬でも清涼飲料水が人気だ。もし、ライチサイダーに人気があれば販売は続いていたことだろう。
 やはり、不人気だったんだな。110円は在庫処分のたたき売り価格だったということだろう。まぁ、ライチ味ってなんだかマイナーな感じもするし仕方がないのかな。あのケミカルな風味は、ジャンクな感じがして好きだったんだけどなぁ。ちょっとだけ残念。残念に感じるのは、マイナーなものを認められる自分に酔っていたからかもしれない。