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鳥五目せんべい

by 唐草 [2018/10/25]



 ぼくの朝食の29%は、おにぎりである。要するに1週間のうち2回はコンビニおにぎりの朝食を取っているというわけだ。
 今のコンビニおにぎりは、種類も豊富だし、お値段も手頃。どれも美味しいし、衛生面を含めた品質管理も高いレベルにある。ハッキリ言って自家製のおにぎりでは太刀打ちできない。コンビニの陳列棚には限りなくベストに近いおにぎりが並んでいると言える。
 今朝もいつものようにおにぎりを手に取ろうとした。すると赤い新商品マークが付いた商品が目に入った。
 でも、騙されてはいけない。赤い新商品マークには罠がある。
 一般的に新商品と言うと、新しい生まれたばかりの商品のことを指す。だが、したたかなセブンイレブンは一般的な言葉の使い方などまるで無視だ。
 季節限定商品が再登場したときも新商品扱いになる。容量が減ったときも新商品となる。とにかく何かが変わればすべて新商品なのだ。昔ぼくが勤めていた会社の営業部長が「(既存の製品を)新商品としてアピールしたいからJAN(バーコードの番号)を変える!」と暴走して卸問屋を大混乱に陥れたのと同じぐらいひどいことを日常的に行っているのだ。
 セブンイレブンの汚いやり口は十分に把握している。だから安易に新商品に騙されたりはしない。むしろ警戒の目を持って商品を吟味する。
 新商品マークが付いていたのは、ぼくが好きだった「鳥五目おにぎり」。セブンイレブン最高のおにぎりだと評していたのだが、いつものようにどんどん小さくなっていき鶏肉の量も減っていった。いつものパターンである。
 新しくなった鳥五目おにぎりのパッケージは大きくなっていた。シーチキンマヨなどの安い価格帯のおにぎりと同じサイズである。これは激烈な値上げパターンだな!そう思って価格を確認するもお値段据え置きだった。
 セブンイレブンに残された最後の良心が、鳥五目おにぎりを復活させた。そうに違いない!
 朝からささやかな喜びに包まれながら、ぼくは新しくなった鳥五目おにぎりを手に取った。だが、次の瞬間目を丸くして自分の手を見つめてしまった。
 あまりにも薄いのである。指がおにぎりを掴んでいることを認めないほどに薄いのだ。その感覚は錯覚でない。目視しても薄さが際立っている。
 この薄さではおにぎりとは呼べない。ここまで薄いとせんべいである。名前を「鳥五目せんべい」に改めて出直してこい!