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台風一過の武勇伝

by 唐草 [2018/10/01]



 昨晩関東を通過した台風24号は、久々に強力な台風だった。風の印象が強い台風であった。容赦ない南風に翻弄された我が家は、明け方まで震度2ぐらいな感じで揺さぶられていた。窓を締め切っているはずなのに風の動きに合わせて障子紙がベコベコ動く様子を見ていると気圧の波が確かにあることが理解できた。
 重機で家を揺さぶられるような振動と屋根を剥がそうとする風の音、そして雨戸にBB弾でも連射されているのではと思うような雨の音であまり眠れなかった。でも、今日は月曜日。台風は去ってしまったので出勤せざるをえない。
 台風は去ったが、大小様々な傷跡が街のいたるところに残っていた。通勤の途中で多摩川を渡るのだけれども、今日の多摩川は普段の穏やかな表情とは打って変わっていた。水の色は、コーヒー牛乳のような濁った色。水位は高く、緑茂る河原が飲み込まれ、川幅はいつもよりも広かった。流れは波打ち、橋脚に当たって大きく左右にせり上がっていた。水が橋脚にぶつかり砕けるゴウゴウという低い音は、徐行する電車内からも聞こえるほどであった。現代生活で鈍ってしまったぼくの本能でさえも、死がすぐ側にあることを十分に理解できていた。
 職場に着くと誰もが台風の話で盛り上がっていた。その内容を聞いてみると、いかに苦労して職場へとたどり着いたのかをお互いに競っているようであった。ある人は、バスの長蛇の列に嫌気が差したので隣の駅まで歩いたと言っていた。別の人は、混雑に耐え3時間かけてここまでたどり着いたと言っていた。更に別の人は、これから出張なのに新幹線が動いていないと言っていた。まるで台風一過の混乱に巻き込まれているのを武勇伝のように語っているのだ。より苦労した人が勝ちなのだろうか?
 では最後にぼくの武勇伝を。
 今日は、いつもより少し早めに出勤する必要があった。電車の混乱を予期してかなり早めに家を出た。駅に着くと電車が25分遅れているとアナウンスをしていたのだが、25分遅れの電車がちょうどホームに滑り込んでくるタイミングだった。結果として、1秒も電車を待たずに済んだし、下り電車なので座ることさえできた。下車してからはバスで職場まで向かう。ぼくがバスロータリーに出たら乗るべきバスが目の前で発車してしまった。気長に待つかと思った矢先、次のバスが間髪をいれずにやってきた。渋滞でバスのダイヤも滅茶苦茶になっているらしい。バスも待たずに乗れて、座ることさえできた。
 そんなこんなで、いつもより短い通勤時間で職場へとたどり着いた。
 人でごった返す上りのホームや入場規制のアナウンスの中を終わりの見えない行列に並び人たちを尻目に1秒の待ち時間すら無く駆け抜けたのが、今日のぼくのハイライト。