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アンティなんとか

by 唐草 [2018/06/16]



 先日、とあるシステムの不具合を調査していた。発生条件を確認することすら困難な問題だった。ましてや原因なんて闇の中。実行環境に起因する問題なのか、それともソフトウェアのバージョンに起因する問題なのか、はたまたデータベース内のデータに起因する問題なのか?解決の糸口はどこにも無かった。原因追求のために取り得る手段はただひとつ。条件を変えたテスト環境をたくさん作って、泥臭くひとつずつ考えられる可能性を潰していくことだった。
 最終的に原因は特定された。その流れは技術的なおもしろくない話なので割愛。
 検証の途中でデータベースのファイルシステムの話が出てきた。2つのバージョンがあり、"Antelope"と"Barracuda"という名前が付いている。
 "Barracuda"は聞き覚えのある言葉だった。たしか魚、それも大型の魚だったはずだ。トローリングでカジキマグロを狙う際の外道として釣れる魚だったと記憶している。昔、何かの釣りゲームで名前を見たはずだ。残念ながら現物は、見たことも食べたこともない。
 一方の"Antelope"って何だろう?聞いたことがあるような気もするが思い出せない。脳内の検索インデックス的な部分が、「たぶん食べ物名前ではないか」と提案してきている。そんなような気もする。「アンテなんとか」って野菜があったような気がする。それも、紀伊国屋とかの高級なスーパーじゃないと買えない、ちょっと小洒落た感じの野菜だったような気がする。
 でも、確信は持てない。なにか間違っているような気もする。ハッキリしないもどかしさに我慢できなくなったので、"Antelope"で検索した。
 画面に出てきたのは、鋭い角の生えたカモシカのような生き物の写真だった。
 全然違うじゃないか!
 じゃあ、ぼくの脳内に浮かんだオシャレ野菜の名前はいったい何なんだ?
 切れかかったシナプスを手探りで繋いでいく。脳内のイメージに合わせて言葉の音を少しずつ変えていく。
 アンテロープ、アンティロープ、アンティローク、アンティチョーク!
 これだ!アーティチョークだ!
 脳内の連想記憶なんていい加減なもんだな…。