カレンダー

2017/09
     
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

モニタの和訳

by 唐草 [2018/06/07]



 まだCPUのクロック数がメガヘルツだった時代。今から20年以上前の話である。これぐらいの頃は、コンピュータ関連の発展速度も今より穏やかだった。スピードが遅いというわけではないのだが、今ほど細分化されていなかったので最先端を追うことがずっと簡単だった。
 また発展が穏やかだったので、新しい言葉も今ほど生まれていなかった。今なんて、略語の正式名称を調べて意味を理解するようになる頃には、その言葉は過去のものとなっている。「JSONは"JavaScript Object Notation"の略」なんて言っていたら、あっと言う間に置いていかれてしまう。意味を理解していなくても"IoT"とか"SaaS"とか唱えていなくてはいけない。
 ましてや、これらの言葉を和訳している暇なんてどこにもないし、訳そうとする物好きだって誰もいない。
 でも、冒頭に挙げたようにメガヘルツだった時代は、まだ様々なコンピュータ用語がギリギリ訳されていた最後の時代のように記憶している。さらにそれより古い時代に遡れば、ほとんどのコンピュータ用語がキッチリ和訳されている。
 CPUは「中央演算装置」だし、メモリは「主記憶装置」だった。メインフレームは「大型汎用計算機」だったはず。古い言葉であればあるほど、しっかりと和訳されているものだった。
 ふと「モニタの和訳ってなんだろう?」という疑問が湧いた。出力装置のひとつであるモニタは、かなり昔から存在しているデバイスだ。紙テープ時代のようにモニタのない時代もあったが、80年代には広く一般化している。この頃の装置ならなんらかの和訳があっても不思議ではない。チューナー付きテレビ(受像器)と区別するためにも、和訳がほしいところである。
 でも、ぼくの脳内の辞書には該当する言葉が記録されていない。世代的なギャップのせいだろうか?そうでは無かったようだ。驚くべきことにWikipediaを開いてみても和訳は掲載されていなかった。
 ひょっとして、モニタって和訳がないの?「監視装置」じゃなんか違うしなぁ。