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パラライズ

by 唐草 [2018/05/09]



 日本語は外来語を取り込みやすい言語だと聞いたことがある。昔から大陸の影響を強く受けていたので、他の言語の言葉を取り込みやすい土壌が育ったのだろうか?この手の勉強はしていないので、本当の事はサッパリ分からない。でも、身の回りにカタカナで表記される外来語が大量にあるのは事実だ。電子計算機界隈の人と技術的な話をすると文法が日本語なだけで名詞はすべて英語といった感じになることも少なくない。
 最近では、ゲームの影響による外来語の流入も無視できないだろう。アイテムの名前や技の名前に日常生活では耳にする機会の少ない単語が含まれていることはよくある。
 ゲームで良くあるステータス異常に「麻痺」がある。漢字で書くと画数の多い細かい字になるので「マヒ」とカタカナで書かれることもある。また英語で「パラライズ」と書かれることもある。ぼくは中学生ぐらいの時に初めて「パラライズ」という表記を目にしたが、当時はなんのことかサッパリ分からなかった。
 今日は、仕事中になぜか「パラライズ」という言葉が浮かんできた。「パラライズ」の「パラ」は、接頭語の"para"なのだろうか?防虫剤の成分でもある「パラジクロロベンゼン」の「パラ」と同じなのだろうか?それとも全然別の「パラ」なのだろうか?「パラライズ」と「パラ」と「ライズ」に分けると、麻痺しているので立ち上がれない、つまり「ライズ」できないというような語であるように思えてくる。でも、スペルは"paralyze"であって"para-rise"ではない。ぼくの推理は間違っていそうだ。
 では、「パラリンピック」の「パラ」と同じ「パラ」という可能性は無いだろうか?「パラリンピック」という言葉自体が、"Paraplegia"(下半身麻痺者)+"Olympic"で作られた造語だという説がある。どうも"para"という言葉には、ネガティブな意味合いが含まれていそうな感じがする。
 気になったので、手元のメモ帳に「パラライズ」とメモって赤い下線まで引いた。
 まさに、その時だった。
 職場で立っていた人が突然視界から消えた。一瞬部屋が息を呑むような緊張感に包まれた。事態を把握するのに数秒必要だった。長い長い数秒だった。人が消えたのは、ワープしたわけでも透明になったわけでもない。ぶっ倒れていたのだ。
 棒が倒れたかのように手も付けずに真横に倒れていた。ぼくが駆け寄ったときには、意識を取り戻していた。痙攣もしていないし、泡も吹いていない。たぶん貧血。とりあえず、大事には至ってはいないようだ。
 しかし、ホッと胸をなで下ろすことはできなかった。メモとの奇妙な一致に居心地の悪い気分がいつまでも残ったのであった。