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シャシー

by 唐草 [2018/03/09]



 長年勘違いしてきたと思っていたことがあったのだが、実は慣用的には間違いではなかった。という事実が発覚して、なんだかキツネにつままれたような気分になっている。
 自動車の車体の下に入っているフレームのことを「シャーシ」だと思っていた。小さかった頃、ミニ四駆で遊んだときに「シャーシ」という名前を覚えたように記憶している。以来ずっと「シャーシ」だと信じて疑わなかった。
 でも、何年か前に「シャーシ」というのが間違いだと知った。モータスポーツの記事を読んでいたら「シャシー」と書かれていたのだ。そこで検索をしたところ"Chassis"というフランス語のカタカナ表記であることを知った。意味は「枠」らしい。
 なお、ここでぼくはまたしても勘違いをする。枠という意味に引っ張られて窓枠を意味する「サッシ」もこの語に由来すると思い込んでしまうのだ。なお、これはすぐに誤解が解ける。
 なぜ20年以上も「シャーシ」だと勘違いし続けてしまったのだろうか?「シャシー」という発音はフランス語に由来しているので耳馴染みのないリズムと音の組み合わせだ。それより「シャーシ」の方が日本語的にも聞こえる。発音の問題が誤解の根底にあったのかもしれない。
 また、自動車のシャシーの話をする機会は多くない。整備士とか自動車関連の職に就いていたら口にする機会もあるかもしれない。でも、一般的な会話の中で口にする機会はそうそうない。モータスポーツ好きどうしが話すときだって、新車発表の時ぐらいしか口にすることはないだろう。だから、自分が間違っていることに気が付く機会が無かったようだ。
 間違いに気が付いて以来、「シャシー」と言うように心がけている。が、口にする機会は一向にない。
 今日、wikipedeiaを見ていたら驚くべき項目があった。
 ぼくが間違いだと思っていた「シャーシ」という項目があったのだ。中身には『しかし一般的な呼び名で多く用いられるのは現在でもシャーシとなっている。』と記載されていた。そうか、和製英語だと考えれば「シャーシ」でも間違いではなかったのか。
 普通、自分が間違っていなかったと分かれば安心するものだ。でも、間違っていると信じて一度訂正したものが、別に大きな間違いではなかったと分かっても嬉しくはない。なんだか無駄な努力に力を費やしてしまったようにしか思えない。