カレンダー

2017/12
     
      

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

ハックインク

by 唐草 [2017/12/26]



 プリンターのインクは、重要なときを狙ってインク切れを起こす。これは、落としたトーストがバターの面を下にして地面に落ちる確率よりずっと高いはずだ。この冬は、年賀状を印刷している最中にインク切れを起こした。そして、メーカー純正インクではなく、格安の互換インクを購入した。と言うこと、先日書いた。
 実は、あの記事を書いて以来 ー約20日経過しているのだがー 購入したインクはずっと棚の上に放置されたままで、年賀状の印刷も放置されていた。このまま放置し続けていると、新年を迎えてしまう。クリスマスも終わって2018年の気配が濃くなってきたので、いよいよ先延ばしできない雰囲気に包まれた。
 ついにインクカートリッジを交換して、印刷作業の続きを開始することにした。
 互換インクのパッケージを開けたら、はらりと1枚の紙が足下に落ちた。拾い上げてみると、赤色で大きく 「純正品とは取り付け方が異なります」というようなことが書かれていた。
 取り付け方が異なるってどういうことだ?インクカートリッジなんて、ただ単にプリンターのスロットにはめるだけではないのか?なにか工具でも使うと言うことなのか?
 説明書を注意深く読んでみて、納得した。
 ぼくのプリンターのインクカートリッジには、ICチップが搭載されている。それで稼働時間やインクの残量なんかをチェックしているようだ。だから単純にカートリッジにインクを詰め直すだけでは、インクの残量が増えたことを認識できないように細工されている。細工と書いたが、純正品のみを使わせるメーカーの工夫と言い直しておこう。
 こういうデジタルなチェック機構があるために、使い古しのカートリッジにインクを詰めたものをただセットするだけではインク残量0扱いをされてしまう。だから、手動でプリンターを騙す必要がある。その手順が、説明書には書かれていた。
 作業は印刷を開始してインク切れの警告が出たらリセットボタンを5秒押すという単純なものだが、プリンターの説明書には記載のない操作だ。どうも、インク残量の認識がおかしくなった際に実行する応急運転モードへの移行コマンドらしい。
 こう言う余計な操作が入るので互換インクは面倒だと感じる人も少なくないだろう。でも、ぼくは逆だ。なんだかハッキングをしているみたいで楽しい気分になってしまった。次も互換インクを買おうと心に決めた。