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吉祥寺のホーム感

by 唐草 [2017/12/23]



 今日の『ブラタモリ』は、吉祥寺が舞台だった。ぼくは小学生時代に吉祥寺界隈で多くの時間を過ごしていたので、吉祥寺には親しみがある。いや、親しみという表現では物足りない。まるで地元のようなホーム感がある。最近はめっきり足を運ばなくなってしまったが、それでもなお第二の地元と言いたくなるような身近さがある。
 そんなぼくからすると、メディアで紹介される吉祥寺はたいていの場合薄っぺらく感じられる。流行の場所ばかり取り上げられているからだ。そう言う場所の多くは、店の入れ替わりも早くてあっと言う間に姿を変えていく。果たして、今日の番組ではどのような視点で街を見ていくのだろうか?そのことが大いに気になっていた。
 『ブラタモリ』は、東京縛りのあった第1シーズンから見てきた。どの回もそれなりに楽しめている(ただし城下町回はどこも展開が同じなのでやや食傷気味)が、ひとつ疑問があった。それは、地元民が番組を観たらどのように見えるのかということ。有名観光スポットばかりを取り上げていて、目新しさのない番組構成に見えるのだろうか?それとも、郷土の歴史をしっかりと捉えていると納得できる構成に見えるのだろうか?自分にとって縁もゆかりも無い土地ばかりが番組のロケ地になっていたので、この疑問の解を得ることができないでいた。
 だが、ついにホームタウン感のある吉祥寺が舞台となった。これなら観光客の気分では無く、地元民の気分で番組を観ることができる。長年の疑問の答をついに得る機会がやってきたわけだ。
 番組で紹介されたスポットは、井の頭公園側にある玉川上水の土手以外すべての場所を把握できた。まるで、自分の家の庭を映されているかのように場所が分かる。また、特集もよかった。有名どころのハモニカ横町をスルーしている辺りが、地に足が付いた感じがした。また、街道筋に対して南北に長い土地を割り当てて開墾したという多摩の常識をしっかり紹介してくれていた点もいい感じだった。残念なのは、玉川上水の紹介の際に郷土の有名人である玉川兄弟の名前が出なかったことぐらいだろうか。あ、あと駅前の象の像を映したときに「ハナコさん」と紹介してほしかったというのもあった。
 そんな感じで地元民として初めて見た『ブラタモリ』は、大いに満足できる作りだった。ついに長年の疑問の答を得ることができた。
 あと、今回は古地図片手に狭小エリアを歩き回るという番組当初のコンセプトに回帰していた点も良かった。ずっと都市部だけで番組を作ってくれればいいのに。