by 唐草 [2017/07/11]
枕元で猫が暴れていた。風で動いた糸くずかなんかにじゃれついたようだった。
危ないと思ったときは、すでに手遅れだった。
コードの束を蹴り飛ばして、その先に繋がっていたタブレットとスマホを盛大に吹き飛ばしてくれた。鈍い音を立てて床に落ちる2つのデバイス。
慌てて手に取り様子を確かめる。
どちらにも目立った外傷はないようだ。電源もちゃんと入る。ほっと胸をなで下ろす。
だが、次の瞬間、異変に気が付いてしまった。
スマホの充電ランプが光っていない。確かに電源に繋がっているのにLEDは暗いままだ。充電は完了しているはずなので、本来なら緑色に光っているはずなのに…。
外傷はないが、壊れてしまったのだろうか?所詮8,000円程度の安物。猫に落とされただけで壊れても不思議は無い。
何度かケーブルを差し直すが、一瞬充電LEDが光るだけで継続して光ることはなかった。
故障を確認するために猫に落とされていない別の機器にケーブルをつないでみた。すると、スマホにつないだときと同様の挙動を示した。一瞬だけ充電LEDが光ってすぐに消える。
あれ、ひょっとして、これってスマホが壊れたわけではないということか?
別の充電器を持ってきてスマホにつなぐと、なんの問題も無く充電が始まった。
どうも猫がスマホを落としたとき、運悪く充電器の上に落ちたらしい。その衝撃で、スマホじゃなくて充電器が壊れてしまったようだ。
さすが安物。予想の斜め下を行く壊れ方をしてくれるぜ。