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ツバメ軍団

by 唐草 [2017/07/09]



 窓から聞き慣れない鳥の声が飛び込んできた。一羽二羽という感じではない。群れた鳥がピーチクパーチク騒いでいる感じだ。にぎやかな鳥の声に我が家の猫も色めき立つ。
 スズメやシジュウカラ、ムクドリなどのありふれた鳥の声ならすぐに分かる。でも、今聞こえている鳴き声は、ぼくの知っているどの声とも一致しない。いったいどんな鳥が鳴いているんだ?
 外に出て空を見上げると電線に見慣れぬ小さな鳥が9羽ほど留まっていた。
 黒い背に白い腹、赤い顔、長い尻尾。
 ツバメか。姿を見てようやく何の鳥か理解できた。
 我が家の周りでツバメの姿を見ることはなかった。人と暮らす鳥とは言え、虫を狩る場所がなければ生きてはいけない。宅地化の進んだ近所には現れないものとばかり思っていた。ところが、こうして小さな群を形成している。体が小さいものもいるので、親子なのだろう。
 そう言えば、ツバメという鳥は子育てを終えて南に渡る前に大きな群を作ると聞いたことがある。川縁などの餌が豊富なところに集まって、長旅の支度をするらしい。きっとぼくの目の前にいる親子も他の家族と合流して多摩川あたりの大きな川へと向かうのだろう。
 と言うことは、このピチピチというような高い鳴き声は、仲間を集めている声と言うことだろうか?耳をすますと別の方角からも似た声が聞こえてくる。どうやら、別の群がいるようだ。
 それにしてもツバメという鳥は、軒先で子育てするだけあって人への警戒感が薄い。ぼくが、ウロウロしながらいろいろな方向からツバメを観察しているのに一向に気に留める様子がない。おかげで手軽なバードウォッチングを大いに楽しませてもらえた。