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曇天でも台風一過

by 唐草 [2017/07/05]



 気が付いたらあっと言う間に過ぎ去っていた台風3号。今日の授業が休講になるとひどく面倒な事になるので何事もなく台風が過ぎ去ってくれることを祈っていたぼくにとっては、ありがたい展開だった。学生の頃だったら絶対に休講を願っていただろう。きっと、てるてる坊主を逆さ釣りにして、さらに雨乞いの踊りを踊っていたに違いない。立場が変わるとこうも願いが変わるとは。大人になるって悲しいね。
 台風は太平洋側に抜けたもの、九州は大雨が続いている。朝からニュースは、気象のことばかり伝えている。テレビからは、台風が去った気配はまったく感じられなかった。それは、空を見上げても同じである。
 台風の翌日と言えば、晴れるのがいままでの常識だった。雨が大気中の埃を洗い流して、日射しが肌に痛いような晴天がやってくる。これが台風一過のあるべき姿。でも、空を見上げてもそんな晴天はどこにもなかった。薄雲が空を覆っているし、所々に雷が鳴っても不思議は無いような黒い雲が浮かんでいる。いつものように朝の通勤電車から外を眺めても目に入ってくるのは、かなり不穏な空模様だけ。
 雨が降ってきそうな重い雲に覆われた空が広がっていたが、それでも台風が過ぎ去ったことを感じられる瞬間があった。
 富士山がクッキリと見えたのだ。
 この季節、湿度のせいなのか、空気が汚いからなのかは分からないが、多摩の山の奥はガスに曇っているように見える。その奥にそびえる富士山まで視界が通ることは滅多にない。
 曇っているのに今日はクッキリと黒い山様が見えている。頂上付近には、白い紐のようにわずかに雪が残っているのも確認できる。
 曇天の下の富士山というレアな風景を見ることができたのは、台風の風と雨が空気中のチリを洗いざらい飛ばしてくれたおかげだろうか?久しぶりの富士山の姿に朝からちょっとだけテンションが上がる。